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***堕散る(おちる)***
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
「君が来て、もう3日になるね。」
「はい。」
3日間が早いのか遅いのかわからなかった。
王様との生活は退屈だったり、目新しいことだったりと、時間を忘れてしまうようだった。
「じゃあ先に上がるから、服を脱いでもいいし、ゆっくり浸かっておいで…」
せっかくだから、服を脱いでゆっくり浸かることにした。
早くて2週間、契約期間の4分の1が終わったんだ。
早くハルトに抱き締めてもらいたい。寂しくて仕方なかった。
「さあ、寝ようか、こっちにおいで…」
王様が横たわり、腕を伸ばして手招きする。
昨日は眠れなくて、さらに泣いてしまったんだ。
思い出して恥ずかしくなったが、王様の言う通りに王様のベッドに入った。
腕枕の手を曲げて背中を撫でられる。
自然と体が近づき、王様の体にぴったりと寄り添っていた。
石鹸の爽やかな匂いに混じり王様の匂いがする。寄り添って行き場のない手が王様の胸に落ち着いた。
「温かいと落ち着くだろう。ゆっくりとお休み。」
王様の言葉に安心して、瞼が重くなり、意識が薄れていった。