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***堕散る(おちる)***
第32章 step32 二十六段目 B2階 犬になる
「ユキ様のチューリップですから、よく見えるようにこちらに置いてもよろしいでしょうか。」
その人が王様にお伺いをたてる。
許されて、チューリップはソファーのローテーブルに飾られた。
「では、失礼しました。」
その人が部屋を去る。
態度を変えない優しい人もいるんだ。
とても励まされた。
コンコン…
「昼食の支度が整いました。」
また別の執事とメイドがワゴンを押して入ってきた。
テーブルに並べられる料理、そしてワタシの分はまた2皿でドーム付のままだ。
支度の間、ワタシはチューリップを眺めていて、王様もソファーに座り、大型犬にするように、うなじから背中までを撫でられていた。
「お支度が整いました。」
「ユキ、ご飯だよ。」
王様がドームを開けてお皿を床に置く。
ワタシはテーブルの横につくように床に跪いた。
「いただきます。」
ワン…
ステーキが一口サイズにカットされ、他のおかずも一口サイズになっていた。
きっとお料理は王様と同じものなのだろう。
ワンプレートに盛りだくさんのおかずが乗っていた。