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***堕散る(おちる)***
第32章 step32 二十六段目 B2階 犬になる
ふと、『言葉がなくても、動物が見てもいいとわかるもの』と王様が言っていたのを思い出した。
やはりワタシは犬にされることが計画されていて、しかもそれを匂わす発言までされていたのだとわかった。
王様に従っていけばいい。
ハルトとの約束でもあるそれを抵抗なく受け入れていった。
名前やら簡単な説明でどんどんめくる王様、次第に退屈になってしまい、違うことに意識が向く。
ああ、トイレに行きたい。
ワンワンワンワン…
「どうした?ユキ…」
王様は撫でていた手を止めてワタシの顔を覗く。
とてもお世話好きな飼い主さんなのだ。
ワンワン…
ワタシは手を伸ばして上体を起こし、ソファーから降りる。
そして脱衣場の隣のトイレの扉を拳で示した。
「ああトイレか、大?小?」
ウゥッ…
「大かな?」
ワンワン…
「小か…」
ワン…
王様が広い脱衣場に何やらシートを敷く。
「ユキのトイレはここ。オシッコはこっち、ウンチはこの箱の方、大丈夫、見たりしないから、四つん這いのままするんだよ。
ただし終わったら動かずワンと鳴いて?
綺麗にしなきゃだからね。」