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第32章 step32 二十六段目 Ｂ２階 犬になる

｢ｱｯﾊﾊ…
誰があんな三流と…
ヤスジは準役員の女性たちの取り持ち役よ。
つまらない嫉妬で揉め事が起きないように、伝書鳩になってるのよ。｣

｢嫉妬って、俺にか？｣

｢ﾌﾞﾊﾊｯ…あらお下品な笑いを失礼しましたわ。
女が男の為に嫉妬すると思ってるの？
女はね、自分のプライドの為に嫉妬するのよ。

自分より上か、下か、自分が何番目か…
それが嫉妬の根源よ。
自分の男が奪われて嫉妬するんじゃないの。
男の一番から降ろされるというプライドに嫉妬するのよ。｣

｢やはり、女は益々わからないな。｣

｢それで何で来たの？
女が右京に変えられるのが心配で？｣

｢いや、お前、前に『恋心が生まれたことに』乾杯しただろ。

でも、恋心って芽生えるって言うよな。生まれるのは恋。

何で使い間違えたんだ？｣

｢ｱﾊﾊｯ…今更そんなこと？
今日の貴方面白すぎるわよ。普段もこんなに面白かったら、『視察ですか？』なんて煙たがられないのに…｣

｢俺は煙たがられてるのか？｣