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***堕散る(おちる)***
第32章 step32 二十六段目 B2階 犬になる
「アハハッ…本当に面白いわね。貴方、グループ全体の総取よ。煙たがられない訳ないじゃない。皆、マージン減額とお酒のサービスがあって漸くチャラにしていいってほど煙たがってるわよ。」
「そんなもんなんだ。」
「それで、何故使い間違えかよね。
間違えてないわよ。貴方、心がないって言いながら、女子高生相手に本気になって、恋心から先に心を取り戻したじゃない。
だから恋心が生まれたんでしょ。
元々なかったんだから、芽生えたんじゃなくて生まれたのよ。
その女子高生によってね。」
「ルリは関係ないだろ?」
「ルリちゃんて名前なのね。」
「名前なんてどうでもいいだろ?」
「大丈夫よ。名前を知ったからって、嫉妬の対象にはしないわよ。
それに名前に拘らないとか言うくせに、ルリちゃんって名前を出したのは貴方の方よ。
それより早く右京から取り戻しなさいよ。壊されちゃうわよ?」
「そうなったら、そこまでの女だったってことさ。」
「後悔するのは貴方よ。」
「ルリはちゃんと帰ってくる。」
「失ってから大事さに気づくなんてならないように祈っておくわね。」
「ああ…」
「じゃあ、見送りするわよ。」