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***堕散る(おちる)***
第32章 step32 二十六段目 B2階 犬になる
女に追い出されるように店を出た。
俺が追い出される?
ふざけんな…
しかし、店には用はなく、女と話すことももうない。
別の、関係ない店に行ってもよかったが、真っ直ぐ帰った。
ぴよちゃんと晩酌をする。
つまらない女と、いや人と飲むよりよっぽど良かった。
「乾杯…って、ぴよちゃん、何に乾杯しようか…
そうだな。頑張ってるルリに乾杯だな。」
コオッ…
「女はな。男の為じゃなく、自分のプライドの為に嫉妬する生き物らしいよ。」
コオッ…
「お前もそうか?
ルリもそうだろうか…
いや、あいつには邪なところは無かったな。
一生懸命、ひたむき…
そんな言葉しか知らない女だな。」
コオッ…
「それとな。俺には心が出来たらしいよ。アイツに壊されたものを、ルリが作り直してくれたんかな。
俺にはわからないんだが…」
コオッ…
「お前にもわかるか?」
コオッ…
「そんなものできちまったら、また厄介だな…」
…………
俺はソファーでそのまま眠ってしまったらしい。
ただ、女の言う忠告は受け止めず、ルリをそのまま右京のところに置いていた。