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***堕散る(おちる)***
第32章 step32 二十六段目 B2階 犬になる
慌ててドアノブを離すユキが言葉を話さなかったことは誉めてやろう。
しかし、手を使ったことは許さない。
俺はその場にいるメイドに包帯と綿を持ってくるように命じた。
「ユキ、お前は犬だ。手は無い筈だろう。
まだ、頭で考えている余裕があるようだから、体に教えてやろう。」
ユキの丸めた指の間に綿を挟み、指を折った状態で包帯でぐるぐる巻きにして、指が使えないように固定した。
完全に折り曲げたまま長く固定すると指の神経を傷めるから綿を挟んだのだ。
ユキは小便を我慢して震え、それどころではなさそうだったが…
「ユキ、包帯は罰じゃない。罰は、『お座り』だ。俺がいいというまでお座りのまま、ここで待つんだ。」
クゥウ…
既にワンと鳴く余裕もないのだろう。
そして、床を磨くメイドたちに言った。
「今から、もっと汚れる予定だから、雑巾を大量に用意して待機しろ。
ユキの始末は執事長に任せる。呼んでここで待機させろ。」
俺はユキの正面の床を指差し、自室に戻った。
ほどなく執事長が来たようだ。