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***堕散る(おちる)***
第32章 step32 二十六段目 B2階 犬になる
ユキはもう仰向けには寝ない。なので氷嚢をおでこと後頭部に置き、足元は毛布を追加する。
ようやく落ち着いたのかユキの震えが収まった。
起きたらすぐ食事が取れるように準備させ、今は眠れるだけ寝かせてやる。
一度突き放しておいて看病し、やはり俺しかいないのだと再認識させるのだ。
ユキの言葉を奪い、ユキの気持ちを汲み取れるのは俺しかいないと暗示に掛ければ最終調教への道のりは短くなる。
だから、この看病は誠意を込めて行う必要があるのだ。
ん…ん…
ユキがうなされて寝返りを打つ。ずれた氷嚢を直して汗を拭いてやった。
ン…あ…
「ユキ、気付いたか?
水を飲むといい。」
用意させた吸い飲みで水を飲ませてやる。
「起きれそうなら、ご飯にするぞ?」
コクリと小さく頷くユキの背中を支えて起こし、枕を咬ませて支えを作った。
電話をすればすぐさま粥が運ばれた。
「食べさせてやるから、ゆっくりでいいから、きちんと食べような。」
俺の態度に戸惑っている感じはしたが、匙にとり、冷まして口元に運ぶとそれを食べた。
汗や口元を拭き、水を飲ませながら食べさせてやると、しっかり完食した。