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***堕散る(おちる)***
第34章 step34 二十八段目 B4階 約束の日
その後も午前中はシェフたちを、午後は執事たちを相手してユキは過ごす。
sexは生活の一部になっていた。
♪♪♪…♪♪♪…
夕方になり電話が鳴る。ユキもちょうど部屋で、寝床で微睡んでいた。
『今日で契約は終了になったはずだが?』
アイツからの連絡だった。
「そうだな、返して欲しいか?」
『当たり前だ。俺の女だ。』
「どうだかな、お前のことがわかるだろうか…」
『なにを…』
俺は賭けに出た。
「俺も気に入ったんだ。それに俺に凄くなついている。俺も欲しい。
だが、もし、女の名を呼ばず、名前をお前の名を呼んだら、お前のものだ返してやろう。
名乗ってはいけない。
お前の声を聞いて、お前とわかったなら返そう。
どうだ?」
アイツは電話口で溜め息をつき、一呼吸置いて、
『わかった、受けて立とう。』
賭けに乗ってきた。
オンフックに切り替え、スマホをユキの耳に近づける。
うとうとしていたユキは何が起きたのか理解できず、きょとんと電話を見ている。
『俺だ、わかるだろう?』
ユキは機械から人の声がして驚き、携帯から離れて警戒する。