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***堕散る(おちる)***
第34章 step34 二十八段目 B4階 約束の日
アア…はぅぅ…ハゥト…ハゥトぉぉ…
ユキは涙を溢してアイツの名を呼んだ。
『あ、ああ、そうだ。俺だ。明日迎えにいくから…』
「3週間でお前の記憶を全て消すのは無理だったようだな。
約束通りお前に返すよ。」
それだけ言って終話ボタンを押した。
アアゥゥ…
ユキはまだ泣いていた。
「良かったな、明日迎えにくるってよ。」
賭けに負けた。
だが、3週間じゃ消せない絆、犬になっても忘れない記憶があったのだ。
ただ、明日まではまだ俺のペットだ。
俺はユキを抱き上げて自分のベッドに寝かせ、久々に正常位で抱いた。
ユキもアイツの記憶があっただけで犬を忘れてしまったわけではないようだ。
食事を床に置けば、何とか『待て』を守ってガツガツと食べ始め、トイレも脱衣場のシートで済ませた。
「ユキ、明日はアイツのところに帰るんだからな。
しっかり綺麗に洗おうな。」
ワン…
ユキはアイツの名前を呼んだきりで言葉を取り戻したわけではない。
明日、アイツがユキを見て驚くのが楽しみだった。
大浴場でよく洗いサウナに入ったり、風呂で泳いだりした。