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***堕散る(おちる)***
第34章 step34 二十八段目 B4階 約束の日
電話口が騒がしくなり、ルリがまた吠える。
ハゥト…
ルと発音出来ないのか、舌足らずな口調だが俺の名前を、ルリに名乗った名を呼んだ。
ルリに明日迎えに行くことを告げた。
アイツはすぐに電話を切った。
ルリに何が起きているのか想像もつかなかった。
店に繋がれていた時代を思い出す。
ヘラヘラと壊れて笑っていた時代…
そうなるまでどれだけの時間があっただろうか。
ルリが3週間で犬になる。どれほど酷い仕打ちを受けたのか。
すぐにでも連れ戻しに行きたい気持ちと、
犬になったルリを見るのが怖いという気持ちで冷静に考えることが出来なかった。
右京の屋敷に連れていき、その場で突き返された服と、バスタオルや毛布、そして手錠や足枷を用意した。
ルリがどうなっているかわからないので思い付くものを準備したのだ。
これまで酒を飲んで潰れるようにして寝ていたが、
明日に備え、酒を控える。
ベッドにぴよちゃんを連れていき、撫でながら自分も寝た。