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***堕散る(おちる)***
第34章 step34 二十八段目 B4階 約束の日
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午前10時、訪問には差し支えない時間。
迎えにいく時間を右京と打ち合わせなかったが、迎えに行くと言ってあればいつ来てもいいように準備しているだろう。
俺はルリの服一式を入れた袋を持って、玄関に横付けした車から降りた。
また出迎えも無しに玄関の扉が開く。
今日はメイドや執事の出迎えもなかった。
部屋の扉が開き、また全裸の右京が出てきた。
俺も家では裸だが、人を出迎えるのに裸か…
変わらない右京に呆れた笑みが零れたが、右京の足元をまとわりつくように這う全裸のルリがいた。
いや、全裸に赤い犬用の首輪をして犬のように歩くルリだった。
ルリもまた裸であることを気にもせず、警戒しながら右京の後を這ってきた。
「お約束通り、お前の女を返すよ。見ればわかるだろうが、お前のリクエストに添って犬にした。」
右京は勝ち誇ったように笑い立ち止まる。
すると、ルリもその後ろで止まった。
「ルリ…俺だ。よく頑張ったな。迎えにきたよ。」
ぅぅぅ…ワン…
ルリは吠えた。
言わされている感じはなく、俺の言葉に吠えて返事した。