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***堕散る(おちる)***
第34章 step34 二十八段目 B4階 約束の日
ルリが天を仰ぎ見て、瞼を閉じる。気を失ったな…
倒れ込むルリを抱き止めて、右京から引き剥がし横抱きにする。
「返してもらうよ。そして、手に負えなくなることはないから、次でも探せ。」
右京に別れを告げ、そのまま玄関から出た。
ッアッハッハ…ア〜ッハッハッ…
寝そべったまま高笑いする右京の声が、
ガチャン…
自動で閉まった玄関扉に遮られた。
「お帰り…ルリ。」
後部座席にバスタオルを敷いてルリを寝かせ、
運転中に目覚めて暴れ出さないように手足に枷をつける。
そして、毛布でルリの体をくるみ、車を出す。
全自動の門扉が開き、右京の屋敷を後にした。
運良くルリが運転中に起きることはなく、スムーズにマンションに着いた。
枷を外し、毛布にくるんだままのルリを横抱きにして部屋に連れていき寝室に寝かせた。
フゥゥゥゥ…
珈琲を淹れながら一服する。
ルリにどう接したらいいのか、思案していた。
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「旦那さま、さすがに玄関で寝たら風邪をひかれますよ。」
執事長が声を掛けてきた。
「ユキは帰っていったな。」
「そのようでございますね。」