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***堕散る(おちる)***
第34章 step34 二十八段目 B4階 約束の日
眠れるだけ寝かせてやろうと考えていたが、それではだめだ。
昼食を作らなきゃ、ルリが帰ってきたら一番に食べさせたかったものを作った。
コオッ…コオッ…
「そうだよ、ぴよちゃん。見せてやらなきゃ、
お前の成長をルリが帰ってきたら…
だから邪魔すんなよ。」
コオッ…
ぴよちゃんはいつものようにキッチンに立つ俺の足元にまとわりついてくる。
意味がわかっているとは思えないが鳴いて返事をした。
よし、これであとはベーコンだ。
フライパンに油を敷き、ベーコンを並べる。肉の焼ける匂いが充満した。
全く気づかなかった。
全く気配がしなかったからだ。
コオッ…
ゥゥゥ…
ルリが這ってキッチンにやって来て、ぴよちゃんが威嚇して鳴いた。
それに対抗してルリも唸る。
「ルリ、起きたのか、もうすぐ出来るからソファーで待ってて…」
ワン…
ルリが鳴いて返事をし、ソファーに登って伏せて待つ。
その動作は全く犬のようで、ぴよちゃんはルリとわからないのか怯えていた。
「よし、ベーコンエッグを焼くよ。」
意味が通じるかわからないが話す。
今まで通りに接する、今のルリを認める…
それを心掛けた。