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***堕散る(おちる)***
第34章 step34 二十八段目 B4階 約束の日
「よし、できたぞ。ぴよちゃんはここだ。」
足元に餌箱を置くとぴよちゃんが寄ってくる。
しかし、ルリもやって来た。
「ルリのはこっちだよ。」
椅子を引いて示すと戸惑いながら昇る。
座面に『お座り』のポーズで…
「さて、食べようか、いただきます。」
とたんにルリが食べ始める。テーブルの縁に手を掛けて支え、皿に直に顔をつけて、ガツガツと食べ始めた。
驚いてはいけない。今のルリを認める。
俺が箸を持って食べ始めても、見向きもしないで食べ続けていた。
「ルリ、卵料理ばっかだろう?
1日1個と言われたけど今日だけ特別だ。」
ルリは食べるのを止めてきょとんと俺を見る。
『難しい言葉や長い会話は理解できないかも…』
右京が言っていたのを思い出す。
「ルリ、この卵は特別なんだ。ぴよちゃんが産んだ卵なんだぞ。」
ぴよちゃんを指差して言えば料理とぴよちゃんを見比べて、ワン…と鳴いた。
かき玉汁にベーコンエッグ、卵焼き、そして卵かけご飯。それを二人前作るために1週間以上のぴよちゃんの卵を貯めておいたのだ。
「明日からは1日1個にするから…
明日の産み立て卵はルリが卵かけご飯にするからな。」