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***堕散る(おちる)***
第34章 step34 二十八段目 B4階 約束の日
取り急ぎ、ペット用のオシッコシートを脱衣場に敷く。
「ルリが歩けるようになるまで、ここがルリのトイレだ。
ドアも開けておく。我慢せずにトイレして、終わったら俺を呼ぶんだよ。」
ワン…
「俺を呼べるか?」
……はうと…
「そうだ。」
俺はルリにキスする。唇を合わせるだけの軽いもの…
案の定ルリはきょとんとする。
「ご褒美だよ。ルリが頑張る姿を見ると、俺も嬉しい。だから、キスしたんだよ。
これからも、頑張ったらキスするよ?」
ワン…
そう、まだ1日すら経っていない。焦っちゃいけないんだ。
ルリを治す。
それが無理なら、新しくやり直せばいいことだ。
中断していたトランプに戻る。
ルリが『これ』と指すカードを開けて、また閉める。
時間がかかってもいい。時間なんてたっぷりあるんだから…
「さて、夕飯の支度をするか。」
ワン…
カレー類や鍋、スパゲッティなど、俺の得意料理は今のルリに食べさせるのは難しい。
「今晩は魚を焼くよ。ルリも見るか?」
ワン…
ダイニングテーブルの椅子を2つ並べてルリを座らせる。
「落ちる前に俺を呼べよ?」
ワン…
こうして以前と逆転した。