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***堕散る(おちる)***
第34章 step34 二十八段目 B4階 約束の日
「かぐや姫は、筍の時から中にいたのかなぁ。お爺さんに育てさせるつもりなら、家の前に置いて行けば良かったのに、
わざわざ竹の中に入れるなんてリスキーだよな?」
ワン…っふふ…
「それでかぐや姫は月のお姫様で、
途中、帝とかいう時の人ってのが、無意味に登場するんだけど、
無事に月に帰りましたとさ。
めでたし、めでたし。」
ん?……ワンワン…
「だいたいこんな感じの話だったぞ?
動物でもさ、自分で育てないで、他の動物に育てさせるやつがいるだろ。
あれだな、月の人間ってのは、そういう無精者の人種ってことだ。
お爺さんに育てさせといて、成人したら取りにきたんだ。図々しい奴等だな。」
っふふ…
「ルリ、この話、面白い?」
っふふ…ワン…
「ああ、でもなぁ、育て賃というか、置き土産をしていったんだ。
それが富士山。
知ってるか?ルリ。
富士山。」
ワン…
「そうか、富士山はかぐや姫が作ったらしいぞ?
胡散臭い話だがな。」
っふふ…っふふ…
「まあいっか、ルリが話を気に入って、笑ってくれるなら…
じゃあおやすみ。」
……すみ…
チュッと軽くキスをして、すぐに寝オチた。