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***堕散る(おちる)***
第35章 step35 二十九段目 0ポイント
「今、はうとが、大変な思いで…見てくぇぅ…
ワタシの…ために…くぅしんでぅ…
そぇで…じゅぅぶん…
はうとと…生きたぃ…」
「ならば、汚いとか思っちゃだめ、オーナーに自分の気持ちや想いを伝えちゃいけないと思ってるから、上手く喋れないのよ。」
「えっ…」
「貴女が自分の心で言葉を封じてるのよ。」
「自分で…」
「だから、自分を汚いと思わないことね。
そして、もし、全てを引き換えに、今の…、オーナーと生まれてからの記憶がなくなっても…
もしかして…オーナーの悪い記憶だけが残ったら、どうする?」
「たぶん…ワタシは…そぇでも…はうとと…一緒に居たいと…思うはず…」
「そう、じゃあ、汚いと思わないこと、伝えたいことを、言葉にしたいと思うこと、そうしたら、いつか、何時になるかわからなくても、きっと良くなるわ。」
「は…ぃ…」
「シンデレラでなくて、人魚姫かもしれないわよ?
声を失ってでも一緒に居たいと思った王子様が、他の人に恋するかもしれないわよ?
そうしたら、人魚姫は…」
「泡になって…消えぅ…」
「それでもいいの?」
「消えても…ワタシの…気持ちは…消えなぃ…」