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***堕散る(おちる)***
第35章 step35 二十九段目 0ポイント
「そう、オーナーは素敵な女性に愛されてるのね。
本人が早く気づくといいのにね。
貴女に名刺をあげるわ。
何か困ったことがあったら連絡しなさい。」
「あぃ…がとう…ございます。」
「くぉい…ばぁ…」
「ん?ああこれね。黒い薔薇。会社のマークよ。
いつか、赤い色に変えるって言う、馬鹿な女がいるって言いながら、オーナーが気に入って決めたのよ。
オーナーが黒い薔薇ほど自分に似合うものはないって…」
「はうとは…くぉくなぃ。」
「あら、ここにも馬鹿な女がいたのねぇ…
オーナーと話をしてくるから、少しここで待っていられる?」
「はぃ…」
「大丈夫よ…変なことはしないから…」
「っふふ…エミさん…信じてます…」
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エミにルリを任せて小一時間、どんな話を暴露されてもいい覚悟でいた。
直接ルリと話しても、きっと俺には本音は言わない。そこにいつまでも喋れない理由もあると考えた。
エミなら下手な医者にかかるより、よほど的確な判断を下すと考えた。
それには俺も洗いざらい話す必要があるだろう。
先に状況を話してからと思ったが、エミはいきなりルリと話すと言った。