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***堕散る(おちる)***
第36章 step36 三十段目 地上階1F

一人で乾杯しようかとも思ったが、それも勿体ないのでルリの隣に潜りこんで寝た。

ルリが帰ってきてから、ずっと熟睡出来ていたが、今日はもっと深く眠れた。


「ハルト…ハルト…起きてください。」

ん…もう少し………ッハッ…ルリか…

「おはよう…ございます。」

あぁ…おはよう…

「朝食、できましたよ。」

少しおっとりした話し方ではあるが、ルリはもう普通に喋っていた。

そして、それまで俺についてくるといった感じで、全て行動していたのに、先に起きてご飯を作ってくれていたらしい。

「わかった。ありがとう、楽しみだな、ルリが一人で作ったご飯。」

ルリはそれだけで笑顔になる。二人だけの世界、ルリにとっては俺だけが全ての世界。
このときは、それだけでもいいと思った。

ルリの後をついてリビングに行く。

家の中では、壁などに手をついて一人で移動できるルリ。

背中を見れば、しっかりワンピースのファスナーを上げてあった。

「その服は脱がなきゃ、昨日1日着てたでしょ?」

ファスナーを下ろし、後ろから抱き締めながら袖を抜き、ストンと床に落とした。

「あ…ハルト…」


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