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***堕散る(おちる)***
第36章 step36 三十段目 地上階1F

ルリは犬だった時の名残から、言い出せずやむなく裸で過ごす。

喋れなかった時は、何を考えているのかわからないのに、無理矢理sexに持ち込むのを控えていた。

アイツの、右京の屋敷でsex漬けだったことは予測できていたし、
sexの道具としてルリを必要としていると誤解させたくなかった。

右京の屋敷から連れ帰るまでは、俺自身がまさにsexの道具としてしか考えていなかったのだが、

ルリを元に戻したいと思う中で、その考えが一番間違いで、今のルリに一番良くないことだと思ったからだ。

そして喋れなかったルリはどこか諦めていたのか、無防備、自暴自棄に感じるところもあり、
裸での仕草に欲情することもあまりなかった。

ところが、言葉が戻ると共に、恥じらいが見え、その仕草に色気を感じることが増え、
逆に欲情するのを抑えることが難しく思った。

「ルリ、抱きたい。」

俺特製のカルボナーラを昼食に披露して、
口に運ぶたびに、『美味しい』を連発されてから、
抱きたくてしょうがなくなり、
自分からこんな言葉を言う時が来るとは思わなかったが、ルリに申し出たのだ。


ルリはコクリと頷いた。
すぐさま抱えて寝室に行った。
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