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***堕散る(おちる)***
第37章 step37 三十一段目 地上階2F
以前のやり取りをなぞって言おうとしたが、ルリにどんな仕事をしてるか聞かれたら今は答えられない。
だから、その言葉は呑みこんだ。
仕事は変えられない。
今の仕事をルリに隠すのは、それで記憶が戻るのは最悪だから…
ルリにとって?俺にとって?
わからなかった。
「じゃあ卵を割ろう。いくつ?」
「4つでお願いします。」
ボウルに卵の片手割りを披露したが、ルリは『凄い』と感動したがそれだけだった。
その間にルリがキューブチーズ達を裸にしていく。
だから俺はトマトを2つに切っていく、横割りの美人に…
「ハルト…手際がいいですね。」
「ルリと一緒だからだな。」
「ワタシとハルトって、こうやって一緒に料理をしたことがあるんですか?」
「そうかもな、
でもなんでそう思う?」
「何となく…慣れてるから…」
「そうか、だったら、そうなんじゃない?」
「ハルトは、ワタシが知らないワタシの過去も…知ってるんですよね?」
「どうかな?」
「どうしてはぐらかすんですか?」
「今のルリに、その知識は必要?
自分で取り戻したんじゃなく、人から聞かされる記憶の知識って必要?」
「え?」