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第37章 step37 三十一段目 地上階２Ｆ

捏ねた肉をまとめて、団子にしたあと、反対の手に打ち付けながら空気を抜き、小判型にして真ん中を凹ませる。

この頃にはルリの涙は止まっていた。

｢分量が多すぎたな。｣

｢明日のお弁当のおかずにしましょう。｣

｢何になるの？｣

｢内緒です。｣

｢そういう反撃に出たか…｣

｢うふふっ…、わからないお楽しみっていうのも、あるんですよ？｣

｢ルリが言うと説得力あるなぁ。｣

うふふっ…

あははっ…

腫れ物に触るようにしていた俺。
不安ながらに遠慮していたルリ。
二人のわだかまりが少し消えていった。

｢今日は白と赤を飲むけど、また、ソースに試飲させなきゃな。｣

俺は赤ワインを開けて、肉汁に注ぐ。
ルリが手際よくフランベした。

｢俺より先に飲むんだから美味くなってくれよ〜｣

ルリはクスクス笑っていた。

全く同じ体験をまたする…
その楽しみ方にも慣れてきた。

｢シャンパン開けてみな？｣

ルリはコルクを恐る恐る捻る。

｢もっと力を入れないと…｣

｢でも溢れちゃったら…｣

飛ぶのが怖いんだと思っていたが、そっちの心配をしてたんだ。

あと少しというところまで捻ってやり渡す。