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***堕散る(おちる)***
第37章 step37 三十一段目 地上階2F
「いきますよ?」
ポーン…
小気味いい音がしてボトルの中で泡立つ。
拍手をすると、ルリがグラスに注いでくれた。
お子さまシャンパンをルリに注ぎ乾杯した。
「ルリが喋れるようになったことに「かんぱ〜い」」
グラスをカチンと鳴らし、飛んだコルクの蓋を拾ってテーブルに置いた。
「マッシュルームみたいですね。コルク…」
「ああ。」
「マッシュルームじゃないけど…
何か、茸に関して、ずっと話題にしてきた気がする。
何だったかは、思い出せないけど…」
ルリが考えこむ。
「それは俺との記憶じゃないな。」
「じゃあ、無理に思い出さなくていいですね。」
「そうかもな。てか、他のことでも、無理に思い出そうとしても、無理なもんは無理だ。
そうやって思い詰めるほうがよくないぞ?」
もしかしたら右京のところでの記憶かもしれない。
でも、もし、そこの記憶が蘇ってルリが苦しんでも、俺は一緒にいて守る。
「そうですね。
ハンバーグのソース、凄く美味しい。」
「一番先にワインを飲んだんだからな。
白ワインで作るソースってあるのか?」