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***堕散る(おちる)***
第37章 step37 三十一段目 地上階2F
ハルトの返事がない。
見上げるとハルトはもう眠っていた。
ワタシはしっかりとハルトに抱き締められている。
その逞しい腕、筋肉質の胸に頬をつける。
この安らぎ…
記憶はないけど、知ってる。ワタシは前からこうやってハルトに抱き締められて寝ていたはずだ。
ハルトの高めの体温に包まれて、ワタシも追いかけるように眠ってしまった。
朝早く起きてハンバーグの残ったタネでメインのおかずを作っていく、
ちょうど揚がったころにハルトが起きてきた。
「おはよう…ずいぶん早起きしたね。
あっ、これハンバーグが進化したやつ?」
「おはようございます。そうですよ。」
「あ〜、見たかったなぁ…」
「お昼までお楽しみですね。」
普段、男らしいハルトがこういう時には子供っぽく見えるところも好きだ。
ハルトはしばらく周りをチョロチョロ動いて、他のおかずを作るところを見てくる。
「もうすぐお弁当出来上がる?」
「そうですね。」
「朝ごはんはフレンチトーストでいい?」
「はい。」
「じゃあ俺が作る。」
飛び跳ねそうな足取りで冷蔵庫に向かっていった。