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***堕散る(おちる)***
第37章 step37 三十一段目 地上階2F
卵、牛乳、バターを抱えて戻ってきて、卵を鼻歌を唄いながら割りほぐしていくハルト。
ぴよちゃんの卵だからか、卵を割るのはいつもハルトの仕事だ。
きっとこうやって分担しながら料理をしていたはず、今でも楽しいけれど、記憶が戻ればもっと楽しいはずだ。
フンフン〜卵と〜
フンフン〜牛乳〜
フンフン〜砂糖を入れて〜
フンフン〜お風呂に〜
フンフン〜パンを浸からせて〜
もうご機嫌で鼻歌を唄いながら、パンを菜箸で押して浸けていく。
お弁当の詰め込みが終わったのでサラダとスープを作った。
ハルトは唄いながらパンを焼いていき、蜂蜜と粉糖を掛けていった。
「さて「いただきます。」」
「おっ、ふわとろのカリカリッ…」
「美味しいです。」
「ん…」
料理好きな男性って、珍しいと思うけど、こうやって一緒に作って一緒に食べる幸せを、毎日味わえるなんて幸せだ。
「ルリ、これ、何のスープ?」
「さて、何でしょう。」
「淡いグリーンだから、野菜だけど、ほうれん草やブロッコリーじゃないな。」
「はい、違いますよ。」
「う〜ん、降参。」
「空豆です。」
「へぇ〜、空豆まだある?」
「はい。」
「シラスと一緒に揚げたら美味いだろうな。」