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***堕散る(おちる)***
第37章 step37 三十一段目 地上階2F
駅付近のパーキングに停めて、そこから歩いていく。1年半、ほぼ毎日歩いた道を歩けば、何か思い出すかもしれないと考えた。

ルリはやはりキョロキョロしながら歩いていたが、特に何か思い出す感じはなかった。

「ここに以前来たことがあるような気がします。」

それだけだった。

まずは店に入る。好きなものを選んでいいと言ったが、見て回っても何もいらないと言う。

だからリップを選ばせて買った。
店を出て外を回り裏口の鉄扉に向かう。支える為にルリの腕を掴んでいて、あのときと同じ格好だった。

でもルリは周りを見ているだけだった。

今は、別の奴に監視員の仕事は任せてあったが、今日だけ休みにさせていた。

「今日の目的地はここだよ。」

「ハルトの仕事場ですか?」

「ああ、今は違うけどね。こないだまではそうだった。」

ルリをソファーに座らせ、モニターをつける。

「部屋の中を見てもいいですか?」

「ああ、好きに見ていいよ。」

ルリはロッカーに向かい、最初に自分の場所だったロッカーを開ける。
ここ用の制服が入ったままになっていた。

「この服、見たことあります。」


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