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***堕散る(おちる)***
第37章 step37 三十一段目 地上階2F
しばらくそこで過ごし昼にした。
「おっ、豪華だなぁ。ルリの弁当はいつも彩りがいいね、って、ルリの弁当しか知らないけどね。」
「ここでいつもお弁当を食べていたんですね。」
「ああ、学校のない時はね。
まぁ、またフッと思い出すよ。もし思い出せなくても大丈夫だ。今の俺たちには影響しない。」
「はい、ありがとうハルト。」
「で、ハンバーグの化けたこれを食べてみよう。」
「メンチカツですよ。」
「おお?卵が入ってる。」
半分に切った卵をタネで包んで揚げてみたのだ。
ハルトが卵にこだわっているのがわかったから…
忘れてしまっていても、こうやってまた覚えていけばいいのだ。ハルトは変わらないと言ってくれているし、あまり不安に思わなくていい。
「珈琲淹れますね。」
ここの給湯室にもミルとサイフォンがあった。
ハルトはよほど珈琲が好きなのだろう。
それかサイフォンのあの音が聞きたいのかもしれない。
その後、ソファーが電動でベッドになるところが披露され、何故かそこでお昼寝をした。
家ほど広くないけど落ち着く空間、それは体が慣れしたしんでいるからかもしれない。