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***堕散る(おちる)***
第37章 step37 三十一段目 地上階2F
「うん…そっかわかった。」
『会えるようになったら、連絡ちょうだい。荷物の中で手元に持っていきたいものがあれば取りにくればと思っているんだけど…』
「うん、そのうちに…」
『あなた、ちゃんとやってるの?』
「うん…」
『ハルトさんとも…仲良くしてるの?』
「うん…大丈夫…」
「代わろうか?ルリ…」
『あ、ハルトさん、こんばんは。ルリがお世話になってます。』
「こんばんは…」
『ルリはきちんと仕事ができていますか?』
「はい、まだ研修が終わったばかりですが、ご心配なく。」
『ハルトさんの迷惑になってませんか?』
「大丈夫ですよ。とても助かってます。」
それ以上の話題もなく終話する。
元々すれ違い気味であまり会話はなかったようだし、ルリが話さないので電話は長く続かなかった。
「お母さん…彼氏さんと結婚したって…」
「ああ、聞こえてた。」
「あの家は、出ちゃってもう住んでないって…」
「それも聞こえてた。」
「帰るところ…なくなっちゃった。」
「ルリ…ルリの居場所はここだよ?」
「うん…」
「お母さんとはいつでも会える。」
「うん…」