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***堕散る(おちる)***
第38章 step38 三十二段目 踊り場
「そ、そうです。
しかも、その男はとある国の王子で、陸にあがってから介抱してくれた女性と恋仲になります。」
「あらら…めでたし、めでたしになりそうにないね。」
「はい…
どうしても王子に会いたい人魚姫は、海の魔女のところに行きます。」
「ここからはシンデレラと同じ展開だな…
めでたし、めでたし…」
「違うんです…
人魚姫は魔女に『陸にあがれるよう足が欲しい。』と願います。
魔女は、姫の美しい声と引き換えに、人魚に足が生えるという薬を渡します。
人魚姫は、王子に会いたい一心でその薬を飲みます。
激痛と共に人魚姫には足が生え、痛みに堪えて姫は陸にあがるのです。」
「可哀想だな…」
「はい。ようやく王子と会える姫ですが、声を失ってしまった為、自分が嵐から助けたことも、想いを伝えることもできません。
更には王子は別の女性をお妃にしてしまいます。」
「もしかして、めでたしにならないのか?」
「人魚姫の姉妹達が何とか姫を海に戻そうと、一つの策を見つけます。
姫に呪いのナイフを渡し、王子を、愛する男をナイフで殺めたら海に戻れると伝えます。」
「かなり残酷な話だな…」