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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ

「何なんでしょう。」

「それを探るのがルリのテーマだ。」

「クイズみたいですね。」

こうして北上旅行は始まった。

高速に乗って、まずはひたすら餃子の街を目指す。
記憶のないルリにとっては、初めての長時間ドライブだ。

記憶がなくとも考えることは同じようで、朝食後の珈琲を多めに淹れ、水筒何本かに入れていた。

運転手の俺に、助手席で手伝えることがないからと言いながら…

結局は、記憶がなくとも、思考回路や行動パターンは同じで、これからの生活に全く影響はないのだと実感する。

ただ、記憶がないことを不安に思うルリを考えれば、記憶が戻った方がいいのだが…

そう思うと、日常からも離れ、焦らず旅行そのものを楽しめればいいと割り切ることができた。

連休前の平日ということもあり、スムーズに第一の目的地に着いた。

「さて、餃子の街へようこそ。」

ルリはクスクスと笑っていた。

「餃子以外のものは食べないようにしていくつか食べ比べしよう。」

「餃子だけでお腹いっぱいにするんですか?」

「そうだよ。ご飯とか食べちゃだめだ。」

「「いただきます。」」

「あ〜美味い、ビールが飲みたくなるなぁ。」


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