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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ

「あちこちに元祖とか本場とか一番美味しいとか書いてありましたね。」

「そうだな。ネットのランキングじゃ、ここが一番だった。」

「下調べしてるんですね。凄いです。」

「途中まではね。予定変更になった時はルリがスマホで調べてくれよ。」

「はい。」

「次はバリエーションが沢山ある店にいくよ?」

「え…?もう1店舗いくんですか?」

「そうそう、腹の中を餃子でいっぱいにするんだから…」

「うふふ、お腹を開いたら餃子が詰まっている姿を想像したら、赤ずきんちゃんを思い浮かべてしまいました。」

「なんだ?それもお伽噺か?」

「はい。」

「じゃあそれ、高速乗ったら聞かせて?眠気覚ましに…」

「でも、ハルト、お伽噺聞くと逆にすぐ眠くなっちゃいませんか?」

「最初の頃はそうだったけど、最近は頑張って起きてるだろ?」

「あ…、そうですね…
なんですぐ寝ちゃうって思ったんでしょう…」

「頭の隅っこにあった意識が、ポッと出てきたんじゃないか?
まぁ、突然閃いたみたいに全て思い出すとも限らないし、
焦らない、焦らない。」

「そうですね。」


「しかし色んな種類があるなぁ。この『十人十色盛り』ってのにしようか。」

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