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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ
「あ〜、本当、当分牡蠣は見たくもないな。」
「うふふっ…そうですね、そのくらい食べましたね。」
車に乗って今日の宿泊地を目指す。ワタシはさっきの話を聞いて思ったことを話した。
「ハルト…あの…」
「ん?」
「旅行から帰ったら、ワタシも働きたい…
それか、働く為に必要な勉強をしたい。」
「ん…なんで?」
「さっきの海女さんの話を聞いて思ったの…
ワタシは研修のことも忘れてしまったけど、ワタシも働きたい。
もしくは、その為の勉強をしたい。
もしかして、記憶が戻って、今の記憶が消えてしまうかもしれないけど、
また、勉強すればいい。
今、記憶が戻るまで何もしないでいるのが、中途半端で、何も進んでいないような気がするんです。」
「ああ、じゃあ、勉強でいいかな?自宅でパソコンで出来るものとか…」
「はい。」
「じゃあ帰ったら一緒に探してみよう。」
「はい。ありがとう、ハルト。」
ルリはとても嬉しそうに微笑んだ。
そうだな、病気じゃないんだし、何もすることがないのでは病んでしまう。
俺は料理を作って家事をしてくれるだけで十分だが、何もしないと居心地も悪いのだろう。