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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ
店内を見て回る。
漆塗りのストラップを見つけた。
「可愛い。」
組み木細工で作られている正方形の中に鈴が入っているストラップだった。
「お揃いで携帯に着ける?」
「え、いいんですか?」
「いいに決まってんだろ。」
買ってすぐに取り付けるとルリも慌てて取り付けた。
「お揃いのもの身につけるって、初めてじゃないですか?」
「ああ、そうだな。」
確かにこんなことをするのは初めてだった。
車に乗ってもルリはずっとストラップを見ていた。
よほど嬉しいらしい。
「さて、今日の宿に向かうよ。」
「はい。」
街を離れて山あいのほうに向かう。
ルリはその間ストラップをいじっていた。
「到着〜」
離れのある宿を選んであった。その方が気兼ねなく休めるから、
ルリは仲居に案内されて緊張していた。
本館からかなり離れた位置にあった。
仲居がお茶を用意して帰っていった。
「ハルト…凄く高いんじゃないですか?」
「そんなことないよ。それに宿に泊まるのは今日までだ。」
「え…」
「明日はキャンプだからな。」
「テントで寝るんですか?」
「そうだよ。」
「キャンプなんて多分初めてです。」