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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ
ハルトからうちわを持たされた。
「火が紙から薪に燃え移ったらあおいでね。」
「はい。」
初めてのことに取り組むのは楽しい。
ハルトが火を着けるのを見ていた。
チリチリと移動していた火が大きくなり薪に燃え移る。
「ルリ、今だ。」
ハルトもうちわを持って一緒にあおぐ。
メラメラと火が大きくなるが、手を抜くと一気に消えそうになる。
片方の力が弱まるときは休まず力をいれてあおぐ。
パチパチと薪がはぜる音がして、休んでも消えることなく、火がついたようだ。
鉄パイプの上に網を置き、その上に飯合を置いた。
料理よりもサバイバルな感じを一緒に乗り越えるのが楽しかった。
「ルリ、俺は火を見ながら具材を炒めるのをやるから、具材を切ってくれる?」
「はい。」
火はハルトに任せて肉から切っていく。ブロックを積んだ上にまな板を置いて、火のそばで切っていく。
ワタシの様子を見ながらハルトが飯合の隣のスペースに鍋を置いて油を敷いた。
「もうお肉炒めて良さそうですね。」
鍋に入れながらハルトを見ると、ゴーグルをして完全防備だった。
「次、玉ねぎでしょ?ルリのゴーグルもあるよ。」