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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ
お鍋と飯合は持ってきたもので、カレーは朝食用に多めに作ったということで、蓋をして車に運ぶ。
炭も炭消し壺に入れればまた使えるそうで、壺も用意したそうだ。
何から何までハルトが事前に調べ、必要なものを用意したらしい。
暗くなり始める頃に片付けを終えてキャンプ場を出た。
「出発〜、2時間くらいは登るから寝てていいよ。」
ハルトに悪くて起きていたけど、途中から舗装されていない道に入り、
ちょうどよい振動と揺れでいつしか眠ってしまっていた。
「ルリ、支度が出来たよ。降りて。」
「あっ…ごめんなさい…ワタシ寝ちゃってました。」
「ちょうどよかったよ。おいで。」
辺りは真っ暗でハルトの持つ懐中電灯で足元を照らして歩く。
もちろんハルトがワタシの手を繋ぎ、転ばないようにとゆっくり歩いてくれた。
ハルトが木の側で立ち止まり、幹に寄りかかって座る。
「ルリも座って?」
脚の間に座るように言われた。
シートのようなものが敷かれていて地べたに座り、ハルトの胸に背を着けて座った。
「ルリに見せたかったもの、一緒に見たかったものがあるんだよ。」
言われても真っ暗で何も見えなかった。