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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ
「ハルト…このまま寝たら風邪引いちゃいますよ。」
ルリを抱き締めていたらうとうとしていたらしい。
「ずっと運転で疲れたんじゃないですか?」
「ああ、あっちにテントを張ってあるんだ。」
「ここに泊まるんですね。」
ルリがちょうど到着直前に寝てしまったのが良かった。
ルリを車に寝かせたままテントを張り、花見に一番の場所を選んでランタンをぐるっと配置した。
シートを敷いて全ての用意が整ってルリを起こしたのだ。
ルリと立ち上がり防寒シートをもってテントに向かい防寒シートをテントに被せた。
「ハルトに全部準備させてしまったんですね。」
「ルリにギリギリまで秘密にしたかったからちょうど良かったんだよ。
1人で簡単に設置できるテントだしね。
さあ入ってみて。」
半円のビニールハウスのような形のテントだった。
くぐって中に入ると寝袋が2つ並んでいた。
「そのまま寝袋に入っちゃって…」
「はい。」
2つ折りになっている寝袋の間に入ると、ハルトが外からファスナーを閉めてくれた。
「芋虫みたいだな。」
ハルトが文字通り手も足も出なくなったワタシを笑い覆い被さってきた。
ん…ハル…冷えちゃ