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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ

藁は手に入れるのも作るのも簡単で、すぐに出来上がりのんびりしていました。」
「何か起きるんだな。」
「はい、彼らが親元を離れた時から狼が狙っていました。
狼は早速長男の家に行きます。
『家に逃げなきゃ』
『こんな藁の家などひと吹きだ。ふうぅ…』
藁の家はひと吹きで飛ばされてしまいます。
長男は次男の家に逃げ込みます。」
「また何かやらかしてるのか?」
「まあ、そうです。次男は木で出来た家に住んでいました。そこへ長男が逃げ込んできます。
『狼がきた。』
『僕の家は木で出来てるから大丈夫だ。』
すぐさま狼はやってきます。
『こんな木の家なんてふた吹きで飛んでしまうさ。
ふう、ふう、ふうぅ…』
狼の言うとおり木の家も簡単に崩れてしまいました。
二人は慌てて逃げて行きます。」
「そして三番目だな?」
「はい、二人が末っ子のところに行くと、煉瓦の家がようやく出来上がったばかりでした。
『僕の家は煉瓦で出来てるから大丈夫。』
狼が来て吹き飛ばそうとしますが煉瓦の家はびくともしません。
ところが狼は家へ入ろうと考えます。
屋根に煙突があったのです。」

