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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ

「おはよう、ルリ、ちょうどいいところにきたよ。」

「おはようございます。」

「寒くて目が覚めた?」

「はい…気づいたらハルトが居ませんでした。」

「今からナンってのを作るんだけど、ルリが水を入れてくれる?」

「えっ…ナンを作るんですか?」

「そう、これで…」

昨日のようにブロックと鉄パイプで四角い暖炉のような形に組まれていて、真ん中に網の棚があり、そこに平たい小石が敷き詰められていた。

「釜だって、ピザとかナンやパンが美味しく焼けるらしい。」

「ハルト…本格的ですね。
準備に早起きしたんじゃないですか?」

「いや?河原がすぐそこにあるから、石はすぐ集まったよ。」

「また色々ネットで調べたんですか?」

「そう、で、ナンの素は出来たから水を入れて捏ねて寝かして、成形して、あの釜に入れるだけ。カレーは石を並べる間に温めて保温してるし…」

「凄すぎですね。ハルト…
キャンプの達人みたいです。」

「へへん…ナンを二枚ずつ焼くよ。プレーンとチーズと…」

粉はベーキングパウダーや塩や砂糖を出発前に合わせて持ってきたそうだ。

水を入れるとハルトが捏ねていき丸めてラップをしていた。
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