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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ

消し壺にあった炭を使い極力煙を出さないように配慮したとのことだったけど、
凄いご馳走だった。
「ハルト…お店が出せますよ。」
「出そうか…」
「へ…?」
いつも『俺はもう仕事があるから』と謎の返事をするハルトが、店を出すと言う。
「ルリと二人で好きなもの作って店でもしようか。」
「本当にですか?」
「嫌?」
「嫌じゃないですけど、そうしたらワタシ調理の勉強とかしようかな。」
「うん、いいね。帰ったら探してみよう。体力が戻ったら学校に通ってもいいし…」
「はい…」
記憶がないからと立ち止まってはいられない。
止まっていたワタシたちの時間が動き始めた。
珈琲を飲み終え、釜戸に水をかけて冷やす。
石は河原に戻し、持ってきたものは持ち帰り、ゴミは出さない。
何回か水をかけたけどなかなか冷めず、少しおいてから片付けることにした。

