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***堕散る(おちる)***
第10章 step10四段目…視覚(3)
「部屋に、トイレと、風呂は営業用についてるし、ベッドもね…

24時間営業だから、服を着る必要もないし、部屋の中を往き来出来るだけの長さの鎖で片手はずっと繋がれていた。
ルリ…泣くと目立つよ…
この話やめようか?」

ルリの溢れそうな涙を拭い顔を見る。
ルリは小さく首を横に振る。

「客がね、手錠の鍵を持って入ってくるんだよ。
プレイの邪魔になるなら外せるようにね…
外してくれる奴なんかほとんどいなかった。

逆に、両手を縛る奴、足枷をつける奴
それでも、いつか誰かが鍵を外して逃げさせてくれると思っていた。

俺、客以外の人間と会えなかったんだ。
食事は小窓に置かれるだけで、客は時間いっぱい俺で楽しもうとするだけだから、まともな会話なんてない。
人恋しさに客を待った。

それもだんだん判らなくなり、客が鍵を持ってることも忘れたし、何で客を待ってるのかもね

だから、ヘラヘラ笑って待つ俺を、みな喜んで、泣いた顔がみたいだの好き勝手していった。

おやっさんがね、いつから俺の客についたか判らないんだけど、
手錠を外してくれたんだよ。俺は逃げ出せるってことすら判らなくなっていた。

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