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***堕散る(おちる)***
第16章 step16十段目…二人きりの休日
ワタシを羽交い締めにしているハルトの手に、自分の手を重ねた。
寝ているのにモゾモゾと動く手が不思議。

ハルトがまた少し離れた…

「る…、はな……」

まだ羽交い締めにされる。寝言、何て言ってるんだろう。

「る…」が言葉の初めなら、ルリ、ワタシのことを呼んでいると思っていいだろうか…

ワタシと別の時のハルトが何をしているのか、全くわからない…

ただ、二人でいるとき、二人きりなのに、ハルトはほとんど「ルリ、…」と呼んでから話し出す。

だから、ワタシから何か話しかける時は、「ハルト、…」と名前を呼ぶようにしている。

そして「ルリ、」の声色でハルトの様子がわかる。

ハルトは、悪戯な笑みか嘲笑以外の笑いがあまりないし、嬉しいなどの感情を言葉にしない。

だからなのか、色んな「ルリ、」でハルトの感情を探っている…


またハルトが離れる。

パタン…

「ルリ、離れると…」

振り向くとハルトの片手が泳いでいる…
急いで掴み、ハルトの胸の上に頭を乗せて、手をアタシの上に乗せた。

「ん…、………いい」

ギュウゥ…また抱き締められる。

こんなに起きないものだろうか…
安心したのか、モゾモゾと撫でられる。
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