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***堕散る(おちる)***
第5章 step5過去
「誰かを好きで、ずっと一緒にいたいって気持ち…
それがいっぱいになって、なんでもしてあげたい…
その人でいっぱいになる想い…」
「ふうん…、俺が欲しいと思うのが、俺のオンナ。
俺の役に立ち、俺に総てをくれるのが、俺の要るオンナ…
必要か不要か…
それを愛だ恋だ、勘違いしてんじゃねぇの?」
ああ、こんなガキになにを真面目に話してるんだろう。計算じゃない…俺の手の内を明かしてしまうような事をそのまま答えてしまう。
「必要か不要か…、それだけじゃないです。
その内側で、恋しいとか、愛おしいって心があるから、行動できるんです。」
ああ…やっぱり若いな…世の中そんな甘くないって…
「俺ね、かなり変わった環境で育ったから…、
心だの気持ちなんて持ってないんだよ。
たぶん壊れたか棄ててしまったんだな。」
「ワタシ…母1人、子1人の家族なんです。小学校あがってすぐに、父が浮気して、両親は毎日喧嘩、愛していたはずなのに、あんな風に罵りあえるなんて…
男の人が憎い、怖いと思った時期もあったし、1人が寂しいから友達って思って誤魔化してるんじゃないかと悩んだこともある。