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***堕散る(おちる)***
第19章 step19十三段目…始業式
小突かれたように背中に当てられて出来た空間に手が入り、お尻が触られた。

まさか小突いている後ろの人な筈がない…
斜め後ろ?隣の人?
手の方向から決められないし、振り向くことも出来ない。

ハルトの痴漢対策講義では片面は扉や座席のサイドの壁でガードして、反対側を鞄でガードするか、座席の前に立ちお尻を鞄でガードすると教わった。
でも講義で言えば今一番居てはいけない所に立ってしまっているのだ。

今さらだけど横に持っていた鞄をお尻を隠すように持ちかえてガードする。

グイッ…

お尻を掴んでいる手と反対側から鞄が引っ張られ、ガードを外されてしまう。

そして、捻った状態で鞄を持っていた手首が掴まれ、腰辺りに後ろ手のように当てられてしまう。

肘と手首が捻られたままなので力が入らず、手を動かすことも出来なくなってしまう。

鞄ももぎ取られ、アタシの足の間に挟むように床に置かれる。

一瞬でどんどん不利な体勢にされ、怖さで体が動かない。

お尻を触る手と、鞄を取った手は別の人?
複数の人が痴漢なの?

空いてる手を取られたら身動き出来なくなる。
考えが伝わるかのように、右手首を掴まれてしまった。
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