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***堕散る(おちる)***
第19章 step19十三段目…始業式
リュウは彼女とイチャイチャしててワタシに気づいてなさそうだ。

歩道は狭く譲らないとぶつかるくらいだ。

向こうは話に夢中で、避ける様子もない。

ワタシはつい俯いてしまう。

このままだとワタシとリュウがすれ違うことになる。

リュウがこちらに気がついて一瞬見たが、ワタシとはわからず、こちらが避けろと言わんばかりに歩いている。

すれ違う直前、

「ルリ、危ないからこっちおいで。」

ハルトが引き寄せグッとガードしてくれた。

リュウが名前に反応して、ハッとした表情になる。

ほんの数秒、目が合ったけどハルトに引っ張られ、崩れるようにハルトに包まれた。

宝物を抱えるような優しい手つきにドキドキする。
リュウよりハルトのことでいっぱいになった。

すれ違って少し離れると、

「振り向くなよ。
気づいたみたいで二度見して今もチラチラ振り向いてるよ。
綺麗になったルリ見て、俺を睨んでる感じ。ククッ」

ハルトが肩の手を腰におろしてきて力強く抱き寄せられた。

リュウの反応よりハルトの気を使っている仕草の方が、ドキドキして嬉しくてハルトの肩に頭を寄せた。

「さあ、ここ
一杯飲(ヤ)ってきますか。」

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