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***堕散る(おちる)***
第19章 step19十三段目…始業式
「こうしたら、見えないから、もっと脚開いて、ルリちゃん。」

もう触れて欲しくて堪らない体は、素直に脚を開いた。

「生きるのって辛いよね。
生きることを考えなきゃならないのが辛い。」

「ハルトさんは楽しくないですか?」

「いや、楽しいよ。
でも毎日を考えるのが面倒な時もある。
繋がれてた時は、最初はイヤだったけど…
どうでもよくなってからは、幸せだったんだ。」

ハルトの表情は本当に楽しそうだった。

「繋がれて飼われていれば、食べることや明日の心配などしなくてよくてさ。

そのうち心配することすら忘れて、
ずっと与えられる快楽に溺れていればよくて、

呻いて、欲を吐き出して、相手を好きに貪って…
何も考えなくていい。
考えることを知らない幸せ。

まともになってから戻りたいとは思わないけどね。
あれはあれで幸せだったんだよ。」

ハルトはワタシの涙をまた拭う。

ハルトにかけられる言葉がなかったワタシは、また泣いてしまった。

「ルリちゃんも体験すればわかるよ。本当の幸せ。」

「ワタシは、辛くても、意識して好きな人と一緒に生きていたいです。」

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