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***堕散る(おちる)***
第20章 20章 step20十四段目…秋
突風が吹き、吹いてくる方を、頭上を見る。

熊?
黒く大きな動物?
いや、蜘蛛
巨大な蜘蛛
それかワタシの体が小さくなったのか…

風は蜘蛛の口から吐き出されたもので

ワタシの体は、蜘蛛に頭をひと呑みされそうなほど小さくなってしまってるのだ。

ブゥン…ゴォン…

地響きのような音と揺れは、蜘蛛が近づくことでたわむ糸が弾かれる音なのだ。

ワタシの頭に蜘蛛が届くまであと数歩。
蜘蛛の糸に絡まれて溶けてしまいたいと思っていたけど、それはハルトと一緒ならで…

ハルトっ…ハルトぉ…

ハルトも同じ目に遇ってないか…
果たして、この世界に来ているのか…

ハルト…ハルトっ

名前を呼んだら、体に巻かれた糸がキリキリと絞まってキツくなっていく。

もう間に合わない。

ハルトっ…助けて…

渾身の力を入れて糸を振りほどこうとすると、それはフワッと緩まり、髪が撫でられた。



ルリ…ルリっ

ハル…

ッハッ…蜘蛛…夢?

背中の温もりが離れ、振り向こうとしたら、コロンと返される。

ハルト?

ガシッと抱き締められてハルトの胸にうずくまる。

「怖い夢見たの?ルリ…」

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