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***堕散る(おちる)***
第20章 20章 step20十四段目…秋
ハルトはそんな様子もなく鼻歌を歌っていた。

「ねぇルリ、かくれんぼしない?」

「へ?」

「あれで…」

公園のあちこちにある隠れ場所になる遊具、動物や木の形をくりぬいた物を指して言う。
先程までいた小学生も怪しい大人に怯えたのか、ボールを持って広場に行ってしまった。

「はい、いいですよ。」

「まずはルリが隠れる番ね。」

ハルトが木に顔をつけ数を数え出す。
ワタシは慌てて入れそうなものを見つけて隠れた。

「もうい〜いかい。」

「もういいよ〜」

ジャリ…ジャリ…

ん…ん〜

ハルトが歩き回る音がする。何故かドキドキしていた。
懐かしい。

ワタシは急いで入って入口にお尻を向けたまま、狭くて中で方向を変えることが出来なかった。

ジャリ…ジャリ…

背後に近づく足音。
隣か此処か、今更、見つからないよう小さくなって息を殺す。

ジリッ

ヒャァア…

「ルリ、捕まえたっ」

いきなり脇の下を掴まれ、遊具から引きずりだされて声をあげてしまった。

「は…ハルト…それは鬼ごっこ。
隠れんぼは『見ぃつけた』です。」

「ルリこそ、大声だされたら、俺怪しい人になっちゃうじゃん。」

既に怪しい人だとは言えない。
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