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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
「ふふっ…違うんです。

手紙には、

『君が村人と仲良くするために、僕は違う山に行きます。
僕がこの山にいると村人が怖がります。
君も居づらくなるだろうから、この山を出ます。

僕を探さないで…』」

ハルトはチャチャをいれずに、アタシの間を待てずに

「それで?」

とだけ言った。




「赤鬼は泣くんです。

自分の本当の友達は

青鬼だったのだと…

村人と暮らすのでなく、
早く青鬼のところに来るべきだったと…

赤鬼は悔やんで泣くんですが、鬼の足のこと…

青鬼の居場所はもうわからなかったということです。」

しばらく沈黙が続く。

ハルトが神妙な表情をしていた。


そして、ポツリと


「意外と深い話なんだな…」

とだけ言った。


「もう続きはないの?」

「はい、ここでおしまいです。」

「そっか…」

赤鬼の気持ちになったのか、青鬼の気持ちになったのか…

しばらく静かなままだった。


ワタシも、悲しい話にしなければよかったかと思い始める。

ハルトの肩に手をそっと乗せると、

ハルトに引っ張られ、胸に納められる。

そして、髪を撫でられた。

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