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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
受付でコートを脱ぐ。チャイニーズドレスは、やはり目立っていた。

ハルトがスリットの入っている方に立ち腕を出してくれる。
腕を通して歩くと、

「もっと、堂々と歩いて…」

と声をかけられた。

「注目されて恥ずかしいです。」

「ルリは綺麗なんだから、見せびらかしたいんだけど…」

奥の方に席をとったらしく、まだ歩かなければならない。
途中、外国人の老人に声をかけられた。

「ビューティフル…
チャイニーズ…」

「ノン、ジャポーネ」

「オ〜」

ハルトが受け答えしていた。

「こちらになります。」

レストランの窓際は窓に向かってカウンターテーブルが置かれていたのだが、
角の1画だけ間仕切りがされている。

ワタシ達はそこへ通された。

ドリンクリストを見てハルトが注文する。

「シャンパンとフランボワーズソーダ」

「ルリ、もう人から見られないでしょ?
ゆっくりしたら?」

「は、はい…
ここ、お部屋と同じ角になりますね。」

「そうだね。」

そこからは観覧車が目の前に見えた。
観覧車全体が時計になっていて、一つ一つが秒針になっている。

秒針を表示したり様々なイルミネーションになって、見ていて飽きることはない。
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